Ian R. McWhinneyの『A Textbook of Family Medicine』
http://www.amazon.co.jp/Textbook-Family-Medicine-Ian-McWhinney/dp/019511518X
おそらく、今ではないが、将来・生涯『座右の書』となるであろうと確信している。
この本で勉強会を始めてから、
自分の中の「家庭医療学」が加速している。
ひとつ発見。
p68の「The Biopsychosocial Model of Illness」という題名で、
生物心理社会モデルの提唱について書かれたが段落がある。
「これが家庭医療学のプリンシプルになっている」と指導医から教えてもらった。
ん!?!?
これは、どこかで聞いた話・・・そうだ、学生時代に心療内科の先生に聞いた話だ!!!
と思い出し、週末に『心療内科 初心の心得 -症例からのメッセージ-』という本を読んでみた。
深く発見。
流れ1
・ドイツでの心身医学が発展し、第二次大戦で中断
・その間に米国で、心身医学が臨床(特に精神科)で取り入れられ発展
・精神科医が中心となる心身医学の発展が、リエゾン精神医学に発展
流れ2
・日本では内科医を中心に心身医学が発展
・昭和36年に九州大学で「精神身体医学講座」が誕生(初代教授はかの池見酉次郎)
・平成8年に心療内科が誕生
流れ3
・カナダのMcWhinneyらによって家庭医療が誕生
その他の流れもあるが、ちょっと知りません。
これらすべてに共通しているのは
・システムアプローチを基盤にしたBiopsychosocial ModelがKeyになっていること!!
ということは、大きな枠組みで捉えると、同じアプローチを持つ仲間ということになる。
みんな、『専門の先生と診る疾患は同じですが、診る方法が違うんです』と答える人たちである。
座右のHPのひとつにHANDS-FDFがある。
このHPの中に、イノベーションに必要な5つの要素が書いてあった。
http://mywiki.jp/familydoc/HANDS-FDF+(Faculty+Development+Fellowshipj/Cmx[Vy_/
そのひとつに、
・「両立性」:既存の価値観、過去の体験と矛盾しないこと
が、あげられている。
この文章では16%の壁を越える難しさが書いてある。
確かに、今までの家庭医療の世界ではそうだった。
日本全体で新しいパラダイムで医療をしている人たちをひとつと考え、
その壁を、窓のブラインドみたいにサクッと開けたら、専門家同士の交流が始まり、大きな力のひとつになんじゃないのかな~と想像してみた。
ただ、残念なのは、日本で、
・リエゾン精神医学が、病棟での他専門科疾患と精神疾患との関連においての教育、実践、研究に。
・心療内科が、一部大学病院とその関連病院+卒業生の開業診療所での実践、教育、研究に。
・家庭医療が、一部家庭医療学センター、大学、診療所での外来・訪問においての教育、実践、研究に。
・・・と、育つフィールドが切り離されてしまって、独自の成長を遂げてしまっていることだと感じた。
・・・同じ子供でも育つ環境が変わってしまうと、別の人格に見える・・・のに似ているかも。
と・・・勝手に振り返ってみた。
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