2011年7月16日土曜日

家庭医は日本独自の言葉かも!?

やはり家庭医は日本独自の言葉かもしれません
ずっと訳語だと思っていましたが、ちょっと日本独自に傾きました


7月2日の札幌での日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で、永井先生から直接お聞きした内容からです

永井先生は昭和35年の医事新報に「家庭医」という言葉を使用して投稿されていました
その一年前の昭和34年に米国でFamily Practiceという言葉が誕生した一年後なので訳語なのかどうかを今回インタビューできました
(たまたま受付されているところでお会いして、メイン会場まで御案内できたこともよかったです)


『その頃は、我々の事を“家庭医・一般医”と当たり前のように表現していた』とのことでした


確かに、昭和34年3月の旧厚労省の答申書に「家庭医」は登場しています
インタビューからも、資料からもアメリカでFamily Practiceが誕生する前に「家庭医」という言葉は存在していた可能性が高くなりました…

でも元々の「家庭医」の語源ってどこから何だろう?
言葉の源を捜す研究者とお会いしたいものです…


ちょっと調べてみると、昭和3年に「臨床家庭医典」という本が出ていますが、
これは「家庭の医学」的な本なのかな??どうなんだろうか??

疑問を解決したら、次の疑問が…

2011年7月1日金曜日

いよいよ学会

明日から学会@札幌です。
http://www.ibmd.jp/jpca2011/

個人的には研究の発表をしたかったのですが、間に合わず。来年に持ち越しです。
より良い形で発表して、その後の共同研究に持っていけたらと思っています。


HCFMの上司が大会長&実行委員長で、今日までお忙しそうでした。

「時と人をつなぎ 今飛躍の時へ」というテーマを聞いたときに興奮したのを覚えています。

3つの学会が一緒になるという画期的な出来事を、より実りあるものにするため、
沢山のつなぐ作業やつながりが必要だとずっと思っていました。
冬期セミナーでも実験的に取り入れ、最近では秋季セミナーでも1企画頂いています。

学問に必要なのは温故知新&学際的な発展ですよ


新しい出会い・古い出会をつなぎながら、それぞれのつながりを楽しみたいと思っています。

秋に抱えている企画や、来年の予定なども含めて種が蒔けるといいな~

2011年5月21日土曜日

自分が死んでも未来に残るものは?を考えてしまったTEDxTokyo2011

昨日は、当直で断続的でしたがTEDxTokyo2011を見ることができて良かったです!
http://www.tedxtokyo.com/

英語の勉強&知的な刺激を受けるので、ネットでTEDは時々見ていたのですが、
昨日は午前中から東京開催の様子をUstream中継を見ることが出来ました


震災の影響を色濃く受けたプレゼンもありつつ、
随所に感じたり日本らしさ、新たしい技術の可能性、社会問題を別角度からの分析、
そして素晴らしい芸術などなど、非常に楽しい時間でした


スピーカーの皆さんを見て強く思ったことは、
・英語で生き生きと熱を込めて新しい家庭医療学を語りたい!!
・自分が死んでも未来に残る何かを創りたい!!
です


家庭医として長く働いてその地域の患者さんや家族のために家庭医療を提供するだけではなく、
日本中の家庭医療の後期研修プログラムに活かされる何か、新しい家庭医療学の教科書に残るような役に立つ何かを(臨床研究や医学教育研究で)残したい!!と考えてしまいました


日本らしい東洋的学際的な家庭医療学、そしてpost311の家庭医療学を深めていきたいです・・・
日々の臨床と教育こそ、その鍛錬の場ですね・・・

2011年4月28日木曜日

当たり前のもつ温もりを届けて、つなげて

今日は、7月2日3日に開催される札幌での日本プライマリケア連合学会学術集会の企画の会議でした

若手医師部会による未来デザインについての対話の第4弾が行われました
今日のゲストは医学生さん達


一番心に残ったのは“未来のために医療者で話し合える”未来を作りたい
という一言でした

この一言以外にも、まっすぐで力のあるメッセージを沢山もらえました


話を聞きながら、『当たり前にしている今の診療や日常をもっと医学生さんに伝えたい。』
と、いう気持ちが湧きました

そして『家庭医の日常は医学生の非日常で、僕らの当たり前は医学生さん達のしまいこんだ初心に響く』
と、いうことも教えられました


大人になってきましたが、同時に老いてきていたんだと感じました

それぞれの世代で交流することは、大人になりたい若者と、若返りたい大人が上手く活性化されますね

2011年4月23日土曜日

4月にこれからの分厚い一年を眺めて見る

この一年の目標設定を終え、タスクの整理をして、その分厚さに心が震えた

どれも大切なことばかり

更別村診療所の未来のための重要なProjectの初年度
後期研修プログラムのQIとイノベーション
未知の道のりをぐいぐい進んでいる研究x2と本の執筆

そして、ライフサイクルの変化

最後に、自分の目指す未来のために理想と現実のバランスのとれた挑戦


毎日毎日、家庭医らしい診療と後期研修医への教育をしながら、
このフェローらしく分厚く一年間を歩んでいきたいな…

資源は十分にあると感じられる環境だからこその、これらの挑戦
自分と作りたい未来のために、所作振る舞いを丁寧に、詰めをきっちりしつつ取り組んでいきたい

2011年4月19日火曜日

フェローフォーラム@室蘭での濃厚な学び

フェローフォーラムという名前で、HCFMフェロー7名での勉強会が室蘭で開催されました。

室蘭は自分の家庭医(医師)としての故郷の様な場所です。
久しぶりに東室蘭駅に着いたとき、家庭医の基本を学んだ本輪西ファミリークリニックに入ったとき、
それぞれにかつての思い出が湧いてきました。


フェローフォーラムでは、様々な制限や限界の中での課題作成という面白い挑戦ができました。
自己紹介や自己研修の報告を兼ねながらも、プレゼンの癖を振り返ることができました。

同時に、ちゃんと聴衆のコンテクストを意識していたり、教育理論に則った方略でひきつけたり、
ストーリーテリングが上手だったり、他のフェローのプレゼンから自分の足りないところを見出せました。
またプレゼンに対して、後輩フェローたちのfeedbackも秀逸でした、的確で響く内容でした。

夜は魚のおいしい室蘭のお店を楽しみ、
その後就職試験前に行ったことのある懐かしのバーで二次会を満喫しました。

翌日は、学習する組織やリーダーシップの勉強をしました。
HCFMが学習する組織をどう体現しようとしているのか?
そして自分の今までのリーダシップとは?を考えるいい機会になりました。


この二日間で、同期のフェローを始め後輩フェローたちとも、
学びあり楽しみありの1年間を過ごす事ができる期待が持てました。

2011年4月8日金曜日

家庭医療を実践する診療所の事業目標

今夜はフェロー2年目ということもあって、
平成23年度の更別村国保診療所の事業目標について所長とディスカッションしました。

今までは診療所の事業計画なんて眺めていた(これだけでも勉強になっていましたが・・)だけなので、
今回、このような機会があってスペシャルな気分でした。


まずはこれから数年後の事業目標を大まかに決めるところから始めました。
外的と内的な変化を予想し、その中であるべき診療所の姿を想像するプロセスでした。

種々の変化を踏まえても、家庭医療診療所としてこの村に生き生きと機能している診療所の姿が見えてきました。現実を踏まえつつ、大きな目標を決めるって大切ですね。


そして、各領域ごとの事業の創造と抽出の作業に入ります。
のべ一年半いた診療所なので、ある程度の現実の把握、事業の理解、そして他の診療所との比較を織り交ぜながら、所長と新規事業や継続事業を創造、整理しました。


大きな目標があるので、個々の領域・事業目標も生き生きと感じました。
そして、目標にできないけれど大切な取り組みが沢山あることも学ぶことができました。

どれも流石10年目の更別村診療所!!って思えるようなあり方で、
診療所を任された時の大切な原型をここで目の当たりにできたひと時でした。