2022年5月14日土曜日

山に登ると海を漕ぐという人生の学びの時間

 関西FMの勉強会で、M先生が家庭医の学習方法を「山登り」と「波乗り」で説明していた。

山登りは、反復のプロになるため。

波乗りは、発見のプロになるため。

そう聞こえた。


いろんな文献と経験と、今のM先生の旬な(凝縮された)レクチャーで美味しい!

これを専攻医の時に聞けていたら、家庭医ライフのエクスペディションはもっとクリアだったんだろうな。でも夢中で霧中だったからよかったのかもね。



リアルに登山やカヤックをしていると、その旅の仕方が違うな・・・という事を思い出した。

登山は軽いほうがいいけど安全性が大切。検証を怠れない。

カヤックは重くても大丈夫だけど快適性が大切。その日その日の停泊するビーチの探索が侮れない。


必要な装備を備えて高度を上げるための身体性と、

波を読んで風を味方につけてパドリングする身体性は、

違う両者だけど相互に生きているように感じる。


キャリアも山登りと波乗り(というか肯定される漂流)と昔勉強したな・・・。

Creative Selfの絵もカヤックに似ている。


自分らしく生きていく、大切なバランス、安定性、漕ぐ力。


日々の波風や季節やその地形からくる潮流、そして大きな時代の海流

生きたい場所に行けないこともあるけど、くるくるとバウが回ることもあるけど、

それも旅と思えたなら楽しめるのかしれない。





2016年8月25日木曜日

インタビューを受けることの大切さ

久々のブログです。

リオオリンピックが終わりました。
新しい家にはTVがなく…ネットや実家で遅れ遅れ五輪を見ました。

テニスの銅、体操男子・レスリングの逆転劇、男女卓球、男子400mリレーなど後追いでも感動の瞬間でした。あと閉会式も最高でした。
長男も「ゴリンピック!すごい!」と盛り上がっていました。

オリンピック前後に選手はインタビューを受けています。
このインタビュー、選手を強くもするし、弱くもするな…と思ってみていました。
良い質問も有りますが、ああ〜それを聞くと良くないな〜というものも・・・。


昨日は友人から、今日は滋賀県の南の病院の幹部の方からインタビューを受けたのですが、自分の記憶や心の気づかないところにスポットライトが当たった感覚がありました。

これはインタビューをする人の関心や熱意、聴く姿勢によって変わるので、一概には言えませんが、答えることで自分が再構築・再発見されるなと感じます。

診療スタイルに微細な配慮をしていたこと。
今の営みの先の大いなる挑戦と夢を願っていること。

時に忘れがち、気づかず自然体にしてしまいがちな自分の姿勢や信念を再確認できました。

思い出すと、確か医師になって2年目か3年目の時に、所属組織のトップの2名が非常に言語化が卓越しているという認識と同時に、彼らは語る事・語らされる事にずっと晒されて来たからだという仮説をもっていました。やはりその通りなのかもしれません。

滋賀に帰って来て、自分なりにも語る事・語らされる事に晒され、
それでもまだまだ不足感やイマイチ感もありますが、答える事で自分を再発見・開拓する感覚は以前よりも強くあります。

問いが人生を照らすことがある。
誰かに問われる、尋ねられるということは非常に幸せな事かもしれません。


これから増えるであろう「東京オリンピックに向けての質問」は、
多くのアスリートの人達の人生に影響を与えるんでしょうね…。

2014年10月15日水曜日

出会った人たちと何度も出会い直すこと

この3連休は台風をかいくぐりながら、札幌と大津への出張でした。
当初はFreeの3連休だったのですが、あれよあれよと予定が埋まって行きました。

まずは去年行きたかったCare Do北海道へ。
北海道が大好きなたくさんの多様な人たちが素敵な学びと交流の場を作っていました。

素晴らしい人たちが集まっていたので、もっと混ざれる機会があれば良かったのですが、
色々気になることや自分の役割もあり、十分できなかったかも。

実行委員会の懇親会や二次会では、普段出来ない交流が出来ました。
出会った人たちと何度も出会い直すこと。大切ですね。

Care Do北海道の実行委員長の山田先生(元上司です)の〆の挨拶風景

出会い直しで言うと、その翌日には数年ぶりに大学のテニス部のOB会に参加しました。
思い出話に花が咲いて花が咲いて、楽しい時間でした。

先輩や後輩が、当時や今の自分についての語りを聞く機会も多く、
他者の目から自分を知る機会にもなりました。

ついつい現役時代の熱い気持ちがよみがえって来て、
3次会のノリで、滋賀医大の講義担当の早朝朝練に毎回参加することに・・・。
大丈夫か!!
最近、運動機会が少なかったので良いきっかけになりました。


翌日は台風迫る中、滋賀県医師会の研修会。
缶詰状態でしたが、滋賀の各診療所の先輩方との再会の機会にもなり、
「診療所開設良かったね!」と声をかけてもらえたことは嬉しかったです。

今回の10月の診療所開設のプロセスを通して、
他の滋賀の診療所の先生方にも更なる尊敬の念が・・・。

ひとつの施設を立ち上げたり、準備したり、経営したり、凄い努力と苦労があるんだろうな~と、
研修会の後ろの席からその背中を眺めていました・・・。

2014年10月3日金曜日

タイトルを「滋賀の家庭医の気づきと学びと振り返り」に変えました

久しぶりの更新です。

2年半勤務したあざいリハビリテーションクリニックは、10月1日から浅井東診療所となりました。
小さい頃に通った懐かしい診療所の名前の復活です。

また、過去のブログの説明にあった「関西家庭医療学センターを目指す家庭医」という言葉も、
今は昔となり、この10月に「関西家庭医療学センター」の後期研修プログラムが認定され、本格始動となります。




2013年11月19日火曜日

タイの家庭医と一緒に家庭医療の卒前教育について語る

もう10日前のことですが、11月7日にタイからの医学教育の視察がありました。
家庭医療の卒前教育の『内容』と『伝え方』について大いに盛り上がりました。

今回の視察は、京都大学の医学教育センターからの依頼で、家庭医療教育のフィールドとしてあざいリハビリテーションクリニックに、タイの指導医が2名(外科医と家庭医、いずれもプログラム管理をしている指導医)お越しになり、家庭医療教育について交流するという貴重な機会になりました。

たった一日だけの交流でしたが、送迎の時の雑談・長浜市紹介から、
訪問診療中の交流、そしてランチと夕方のカンファレンスで濃密な学びの機会に!!

個人的な印象ですが、日本と比べて専門医制度の認定と試験の完成度が高く、またレジデンシーのローテーションの標準化がしっかりとなされていました。ただ一方でレジデンシーの母体が大学だったり、地方の病院だったりと多様だったことや、卒前での教育が大変という所は似ていて、夕方は、この「家庭医療の卒前教育」がメインです。

「魅力伝えるのが大変なんだよね~」
「そうそう!!」
「数を増やしたいんだけど人が増えないんだよね~」
「一緒一緒!!」
と言う感じで…かなり序盤は共感しつつ盛り上がりました。

まず『内容』についてですが、いくつかの文献を紹介しながら進みました。

・BPSモデルとホワイト研究は鉄板であること、
http://healtorture.hutman.net/files/files/englearticle.pdf
http://www.aafpfoundation.org/online/etc/medialib/found/documents/programs/chfm/whiteecologyofmedicalcare.Par.0001.File.dat/White_Ecology_of_Medical_Care.pdf
・理論としてのBPSの方法論(例:PCCMなど)があること
・学際的な用語が有効であること(例:病者役割From社会学)
http://en.wikipedia.org/wiki/Sick_role
などが話題になりました。
問診でもFIFEや影響を受けているのがMcWhinneyというのも当たり前!!って感じでした。

一番重要なのは、それらの『伝え方』!!と話題がうつりました
今までの経験をもとに、
・まずは導入の質問をつくる(Driving Question)
・概念を伝え、その後に概念の背景を伝え、そして物語る
・概念は少し伝え、反応を待ち、また少し伝える
・事例や例えなどイメージを用いる
などを話題にしました。

そして日常診療をすることが、教育向きの事例を準備することにつながる!!という話題になり、
これが結構Hitしていました。

タイの方が各大学に家庭医療学講座があり、専門医制度もしっかりしている体制にあるので、
卒前教育は日本の今だけでなく、未来の課題かもとも感じました。

追伸:内容については、以下も参考になります。
タイでも『「医学の不確実性」「複数の健康問題」大切だよね~』って感じでした。
http://www.hcfm.jp/journalclub/2013/10/000666.html
我々の課題は、いかにこれを上手に伝えるか?の挑戦とノウハウの共有ですね!!




2013年10月10日木曜日

里親学生さんとのセルポア

今週火曜日はセルポアという瀬田駅近くのオムライス屋さんで、
里親学生さん達(滋賀医大のメンター制度のメンティー)と夕食を食べました
水曜日の滋賀医大の講義前のこの時間は会食の定番時間になってきました


もちもとポテト団子の肉じゃが
しぐれ煮おむらいす
サムライロック

どれもこれも懐かしの定番メニューを飲み食べつつ、
新しく合う学生さん達とも語らうひと時になりました

セルポアは昔もっと小さいお店でアルプラの近くにあったのですが、学生時代の中ごろに移転して大きくなりました

その時と変わらない店構えで、厨房にはシェフのMさんの姿はなかったのですが、
それでも当時と同じお店でにぎわっていました


学生さん達との時間も非常に面白かったです
卒後9年ということは医学部1年生から見ると15年離れてるんですからね…
こっちは大学の後輩と言うことで親近感を持って話していますが、向こうから見ると遠いんでしょうね~(と気にしてもしょうがないので、気楽に話すようにしました)

里親制度は公式&マッチングのメンター制度なので基本上手くいきにくい制度です
自然なメンター・メンティーの関係にはもちろん及びません
なので肩ひじ張らず、まずは顔合わせをして、いろいろなきっかけ作りになればと思って接しました

最初は緊張していた学生さん達も色々お話してくれました
医師なった経緯や、最近の時間の過ごし方、大学のいろんな話、悩み事
どれもこれも勉強になるというか、違う世界を教えてもらえるというか、
貴重なことを教えてもらっているな~という時間になりました

こちらも自由に思ったこと、感じたことを話すようにしました
・鏡を見てのダンスの練習⇒自分を客観視すること
・へたくそでもダンスバトルに出ること(人に)みられることで上達すること⇒現場で学ぶことの大切さ
・好きな女優さんとその理由⇒演技、演じる中での個性
・思わぬ学外活動への参加と時間調整の大変さ⇒沢山の舞台を経験することの意味
・国境なき医師団への憧れ⇒災害医療・震災支援のときのロジスティック
などなど…

メンターとしてのキャリア的機能はまだまだの時間でしたが、
心理・社会機能としての「役割モデルの提示」や「受容と関心」は出来たかな

自分自身も学生時代や今を医学部の1-2年生に語り直すことで、
色々自己認識を深める機会になりました

これからどんな学生生活を送り、どんな成長や挫折を経験するのかはわかりませんが、
遠くで(時々近くで)見守って行きたい学生さん達でした

次回は縁ある高学年の人たちを誘って、何らかのケミストリーが起きたらと目論んでいます
場所はセルポアがいいな~やっぱり


2013年10月6日日曜日

施設での看取りの進化と出会う

昨年4月から密に関わっている施設では、
組織文化、看取り数の増加、そしてスタッフの思考錯誤などなどを背景に、
今年は看取りのケアが進化しています。

なんというか思いや気持ちがケアにつながっている感じ。
思いや気持ちはともすれば、いろいろな障害で形にならなかったり、ひとりで空回りしたり・・・
それが、目に見えてケアになっています。

看取りの時に主に使われる部屋があるのですが、それが毎回その人の家の個室になる感じ。
すごいな~と思って最近見ています。

というのも、回診時に自分のその部屋からもらう温もりで、パフォーマンスが変わるからです。

過去を知る展示があり、その人に接する際の敬意が湧いて来たり、
家族の写真から、大切な家族の一人だと再確認したり、
○○が好きだったんですね、○○が上手だったんですねと声をかけたり・・・

部屋自体が、良き看とりのアフォーダンスを生んでいるんです・・・



家庭医療のケアは「標準的な医療の個別化」という、矛盾にも聞こえる、ケアをすることだと思っています。
その施設でも、標準的な看取りのケアを究極に個別化していると感じました。

在宅ではその方の長年の住まい=その方らしい空間で看取るのですが、
看取りの時には、その施設の標準的な(老舗なので昔の)病室みたいな施設の部屋が、その方らしさに満ちた空間に設えられているのです。
その過程を想像し、その空間でのケアのやりとりを考えただけでも・・・。

その人の人生、生きてきた道のり、その人を見送る家族の思い、
それぞれに配慮し、斟酌し、出たり引いたり、工夫したり、でも反省して修正したり、
その揺れるケアの中で、豊かな時間が編まれ育まれている感じがしました。

在宅医療も行っていますが、亡くなる場所にベストはないと思っています。
在宅でも病院でも施設でも良いと思っています。

この施設には亡くなる場所のベストとなるエッセンスがあると思いました。
施設看とりが確実に増える時代に、この施設でのケアは一つの希望かもしれません。

間違いなく、人が人を支えることがより大切になる時代に、この施設で育つ人材がこれからの看取りを支える大切な一人ひとりになると感じました。

凄く勉強になる温かさを看取りの部屋から感じます。
燃え尽きず、継続できる温度で、この温かさが続いて欲しいです・・・。