2008年1月16日水曜日

「プロとは・・・どんな状態でもこれだけのものを提供できる線を保てる人」

NHKのプロフェッショナルを見ました。
歌舞伎役者の板東玉三郎でした。

最初の衝撃の言葉は、
・「自分の仕事の使命を考える」こと・・・
以前の指導医は「mission」「mission」と口にしていたので、それを思い出しました。
自分の「mission」について、機会をつくって考えないと・・・

また、所作振る舞いについて、
・歌舞伎で型どおりしては人の心を打たない『型に命を吹き込む』ことが大切
・「同じディティールで同じニュアンスは出ない、所作を命や魂の糸で縫い付けないと・・・」
との言葉は、日々の仕事や茶道にも通じるな・・・と感じました。
形は大切だけど、繰り返すことで、自分を・心をそこに表現できるようになるんだと想像しました。
高いレベルのパフォーマンスとはこんなことを言うのでしょう。
非常に背筋が伸びる気持ちのする彼の言霊でした。

そして、最近テーマだった「自分のメンテナンス」について、
・公演前日の最後の稽古であえて化粧しない→冷静になるための仕掛け 
・仕事が終わったら、どこも寄らず、公演初日の打ち上げにも参加せず、まっすぐ家に帰る
・家に帰ると体を休める マッサージする
それが50年徹底してるな・・・と驚嘆。

・『遠くを見ない、明日だけを見る』『ただ明日のことだけを考えよう』
と彼は言ってましたが、そんな感覚になることが、自分への厳しさといたわりを共存させているんだと感じました。
もちろん、この感覚に行き着くには、小児麻痺だったこと、高身長で女形として体に負担のかかる動きをしていたこと、30ヶ月休みなく働いた20代に鬱になったことなどの積み重ねがあるかもしれませんが、 そういった自分の状況・条件を冷静に把握してメンテナンスを怠らない姿勢に感動しました。

番組の後半のインタビューで、役者の華とは?と(無理やり)聞かれ、
・「良く生きてないといけない」「向上したい、ちゃんとしたいと思って生きている」
と、そんな言葉ではないけど、言葉にするならこんな言葉・・・のような様子で語っていたのが印象的でした。
司会者も聞かなくてもいいのに。見ていたら感じることなのに。言語化しなくても・・・と思いました。

最後に、
・目指す境地は無意識の美 「花は美しく咲いているけど、誰に見せるわけでもない・・・そんな美しさ」
とのこと。
世阿弥の「風姿花伝」の一説を思い出させる言葉でした。

この番組でロールモデリングすることが、毎週の楽しみです。

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