2009年7月18日土曜日

医学の不確実性に耐えて扱うことは・・・

昨日、「医学の不確実性」についてHCFM内でレクチャーしました

診療の現場では、不確実性に『1耐えて、2扱う』ことが日常的に必要になります


『2、扱う』のところでm自分でも勉強になったのですが、
H・コートニーの論文、"Strategy Under Uncertainty"(HBS,1997)の図を参照しました
(図はhttp://journal.mycom.co.jp/column/itshihonron/093/index.htmlを参照)


筆者らは、不確実性を、
「1:まったく読めない未来」
「2:可能性の範囲が見えている未来」
「3:他の可能性もある未来」
「4:確実に見通せる未来」
の4段階に分け、段階ごとに複数のシナリオを用意し、
それぞれのシナリオに応じて打ち手を考える必要がある」と述べられています。

このビジネスで使われている図の1~4が医療にも一致しました


例えば、外来の現場では
1:今日から高熱
2:昨日から高熱と首のリンパ節が腫れている
3:一昨日から高熱と首のリンパ節が腫れているけど、溶連菌とアデノウイルスの迅速検査は陰性
4:川崎病の診断基準を満たした状態
と、情報が増えるにつれ1⇒4と状況が進んでいきます

・・・診断学として順調に行けば・・・です

ある情報で4⇒2といきなり不確実性が高まることもあるし、
2と3の往復で入院がずるずる延びてしまうことも現実も経験しています


臨床で1や4の状況は少なく、むしろ2や3の時が多い気がします


勉強会での議論を通して気づいたことは、

2-3の状況で大切なのは、
『不確実性に耐えて扱う』というイマイチ良くわからないことでなく、

患者さんとの
A情報
B信頼
C時間
を大切にすることです

A互いに情報を引き出して、互いに情報を適切に伝えれられるか
B信頼関係を構築しながら、やり取りを互いに信頼するか
Cこれを限られた時間で行えるか
日々これだったんですね・・・

毎日修行ですね・・・