2008年8月2日土曜日

誕生を信じて待つ産婆の喜び

内科研修している病院で、医学生対象のセミナーが開催されました。

一年間の所属なのに副実行委員長を仰せつかり、
講演会の準備と、一年目の先生による学生向けのレクチャーのアドバイザーなどとしてこの数ヶ月準備をしてきました。

講演会は講師の先生の協力あって準備が進み、
非常に楽しんで準備が出来ました。

Fuculty Developmentについてお話を頂き、インパクトの大きな講演会となりました。
実践は多いのですが言語化の少ない文化に、言語が蒔かれた感じになりました。

講演後のアンケートも、
「いい話だった」「ただ働いていることにはっとした」「FDを学びたい」など
好評を博した様子が感じられました。

ハワイにいった同期と、千葉の指導医の紹介があって実現した講演会でしたが、
北海道の、札幌の、家庭医療の発展の胎動を感じたひと時でした。



難産だったのは、一年目の先生達のレクチャーでした・・・。
これでレクチャーやWSの指導をするのは何回目でしょうか・・・。

確か二年目の研修医だったときに、
一年目の後輩達3人のWSを統括としてアドバイス+ファシリテートして、
学生対象に2日間のセミナーを開催した記憶が鮮明に残っています。

研修医それぞれの個性と高い能力が発揮されたWSで、
それが生まれる過程を待つのが辛くもあり、楽しかったです。


今回も、果敢に初のレクチャーに挑戦してくれた二人の研修医の先生と定期的に時間をとってアドバイス+ファシリテートしました。

やはり僕のテーマは「待つ」こと。

彼らの思いややりたいことを、聴いて聞いて…
ちょっとコメントして待つ待つ待つ。

(毎回ですが)間に合うかどうか心配していましたが、仕上がるもんです。

通して面白かったのは、自分には創れないレクチャーと会えること。
彼らの持ち味が十分に生きた、そして素敵なレクチャーになっていました。安堵です。

彼らが、また同じような後輩達に出会ったときに、今回のエッセンスを生かして指導側になってくれることも祈りつつ臨んでいました。

祈りながら、少し手を加えながら、でも時々途方にくれながら待つ姿勢と、
新たな創造物と会える喜びは産婆のようだとふと思いました。


そして、今日彼らのレクチャーも終了。
checkできていないところもあったけど、一年目とは思えない内容と構成とプレゼンでした。
のびのび彼ららしく発表している様子を見て、
あんまり、コントロールしなくて良かったな~と安堵しました。


今日の午後に彼らと一時間振り返りをしました。
よく頑張ったところを讃え合い、次回に向けての改善点を確認したときに、

「今回の指導についてFeedbackしていいですか?」と。。。
『ええ!!』と思いながらも、「じゃあお願い」と返事したところ、

・最初のメモような企画書でも批判されなかった、進捗が遅くても動揺もせず、心配されなかったのが、基本的に信頼されていたと感じ、ありがたかった
・やりたかったことができたし、自分ひとりでできないものができた
・病棟が違い会える機会ないので、この機会で指導・影響を受けられて良かった 

と、涙が出るようなコメントをもらえた。

何よりの財産となる経験が札幌でも出来ました。