2009年11月11日水曜日

家庭医の『ストレッチ経験』とのその環境

今日は組織の会議がありました。
いろいろ考えさせられる会議でした。

その直後、読んだブログで、はっとさせられるものがありました。

2年前に『経験からの学習』という本と出合ってから私淑している松尾先生のブログです。

http://blog.goo.ne.jp/mmatu1964/e/916e55e2d40da8a69764106d6b15c52a
より引用
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バンダイの紀伊さんが強調していたのは「社員を混沌の中に置くことで成長を促す」ということ。
何が混沌を作っているかというと、

・多様性のある社員
・頻繁な異動
・大胆な権限委譲

である。
つまり、「いろいろな社員がいる中で」「どんどん部署を動かして」「仕事を任せる」ことで人を育てている。

しかし、これだけだと単なる混乱に陥ってしまう危険性がある。
バンダイで混沌が前向きに働いているのは、会社全体が目指す方向がはっきりしているからだ。
「楽しいときを創る企業」という同社の理念があるからこそ、混沌が創造性を生む、といえる。

もう一つ紀伊さんが強調していたことは「自立エンジンを持つ社員」。
つまり、自ら学ぶ力を持っているがゆえに、混沌を学びに変えることができるのだ。

会社の方向性を明示したうえで、自立的な社員を、混沌の中に置くとき、イノベーションが生まれる、といえる。

出所:ワークプレイスラーニング2009資料
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これには深く同意するところと、さらに考えさせられるところがありました。

多様性、頻繁な異動、権限委譲の3つはその程度の差はあれHCFMの研修の特徴に一致しています。

ただ「自立エンジン」があるか?というと、
そうではなく「自立エンジン」を作りながらという一面があります。
ここがKeyに思いました。

一方でHCFMの目指す方向性ははっきりしており、
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北海道家庭医療学センター(以下、HCFM)は大きく3つのミッションを持ち、活動を続けてきました。

1.良質な家庭医療の実践
2.良質な家庭医の養成
3.北海道及び日本の家庭医療の発展に対する貢献

 最後のミッションは決して単独で目指すものではなく、前の2つのミッションを地道に実践する中で達成されるものと考えています。この3つのミッションがHCFMの組織構造と活動を形作っています。
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という、ミッションがあります。
この理念が混沌から創造性を生むという点については、
HCFMという組織の導入期・成長期から発揮したんだろうな~と思い浮かべられます。


このミッションが、研修初期にどれだけ一致できるか?
そして、自立エンジンの馬力具合にどれだけ段階的に、異動や委譲を経験できるか?
が、大切な研修デザインだな~と感じました。

めっちゃ難しいことのようにも感じますし、
それぞれでの職場のコミュニケーションがこれを後押ししてくれている気もします。


家庭医のストレッチ経験が何なのか?って面白い研究テーマだと感じました。

患者さん、家族、地域、プロジェクト、指導医、
振り返って今心から思い出せるそれぞれがそうなんでしょうね。