2009年12月24日木曜日

早い外来の中を丁寧に振り返る

こちらに来て診療時間が短くな(らざるを得なくな)りました
早いときはいわゆる三分診療・・・

かつてはそれに否定的でしたが、その良さも感じて(しまって)います

例えば、
・PCCMが短時間でも完成して、互いに楽しく笑顔で診療が進んでいく
・患者さんとのやり取りで、患者さんに届けたいワンフレーズ、一言を模索しながらその力を実感
・患者さん自身もさくっと診て欲しいNeedsに応えられる
・時間という医療資源を人数で割っているので時間通りにスタッフが休める
・全体の待ち時間の短縮

ただ一方で、怖さも実感・・・
・診療でパターナリスティックさが増す
・マネージメント手段としての検査が増える
・アイコンタクトの減少
・患者さんがillnessを言えない環境になっている

一人ひとりの慢性疾患管理や診断学はズレていない実感はありますが、
なんとも高速の車を運転している危うさみたいなスピード感があります。
短時間でそれを想起していないと、こぼれ落ちているかもしれないという不安も一緒に。

夜のカンファレンスでは、自分の診療の振り返りの大切さを染みて感じる機会です。
特に、最近指導医の指摘で医師自身にメタメッセージがあることを知りました。
それに無自覚だったな~と思い、
もしや『早く診ていますから!』というメタメッセージが出ており、
それで患者さんの問題点を抑制しているかも・・・という気がして来ました。

・患者さんがillnessを言えない環境になっている
というのは、それで書きました。

だからこそ短い中でも丁寧に探索する必要がありそうです・・・。



年末になってきて、混む日もあり、
時に患者さんに「一人ひとり丁寧に診すぎじゃないの?」とか
「こんなに待つなんておかしくなりそう」と、憤りをぶつけられる日もあり・・・。

「すみませんね~」といいながら、地震や台風のような自然現象を恨まないような心持=『こんな混む日にたまたま来てしまったから仕方ないですよね・・・』と思って(ストレスマネージメントをして)います。

午後はのんびりと診療できる日もあり、患者さんの多寡が自然現象に感じてきた今日この頃です。