2008年6月21日土曜日

埋め込まれた学びと埋もれた学び

今勤務している病院で、
6月から指導医スキルアップセミナーなるものが開始されました

担当講師になったのは「医学教育・研修指導」

今まで研修医として、教育を受ける立場から、
今の環境では教える立場も得ているので、
自分の中でもテーマとなっている分野でした・・・


将来の夢が「教育できる家庭医」なので、
前々から教育には興味津々だったので、いい機会と思って挑戦・・・


今日はその一回目のレクチャーでした

準備として今まで北海道家庭医療学センターで受けていた教育を思い出して、
何冊か本を読み構想を練りました

そして、成人学習理論の中で、ノールズ、マズロー、デューイ、コルブの理論を紹介しようと、
理論からワンフレーズのキーワードを出して、それを背景や現場の状況と照らし合わせる
という手法でプレゼンしようと思いました


実はこのプレゼン・・・
かなりの難産でした

まったく土俵に上がれていない感覚
試合が近づいているのに、肩が仕上がっていない感覚
が練れども練れども、一昨日、昨日と続いていました


ポイントは絞ったし、
話すキーワードや内容は決まっていたのですが、
どう出す、どこを切り口にするのか・・・に大変悩みました


出すのは「卵」と決まっているのに、
焼くのか、茹でるのか、スクランブルにするのか・・・ 調理法がまったく見えず・・・


それが、ブレークスルーして加速したのが、昨日の夜でした
何気なく研修医の先生に
「学びが進んだのってどんなとき?」「学びが進まないときってどんなとき?」と
インタビューを5名くらいにしたのが大変力になりました

あ、この声を使って紹介すればいいんだ
研修医の声には耳を傾ける文化のある病院なので手ごたえをようやく感じました


この病院が持っている研修の環境と経験のポテンシャルが高いこと
そのポテンシャルの高さに気づかず、生かせずにいること

経験からの振り返りがまだまだ少ないこと
を、
得た研修医の先生の生声を使うことで
理論のキーワードとうまくマッチして紹介できました

キーワードは「環境、経験、振り返り、支援」でした


このシリーズ、あと9回残っています。

やっとプレイボールの声が聞こえた感じがしました。
完投できるか!?頑張ります。

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やってみての反省は、「題名」付け。
院内広報では題名しか紹介されないときがあるので、
アクセプトされる論文のようにひと目で内容がわかるものにすべきでした。
悪い癖で、凝りすぎました。

よかったことのは、
現場の実情や背景にこだわって、絞ったポイントや内容がどう調理したら食べやすいか、
消化しやすいかに拘ったことでした。

ちょっと背伸びの内容なので、このあたりは丁寧にこれからも継続したいと思いました。