2012年8月27日月曜日

小さなコミュニティの多死化社会にどう対応するか?


早朝の施設看取りのあと、施設勤務の看護師さんと振り返り。
ここ数年で看取りが上昇していると。

実際のデータでも各年度の死亡者が、H18~H21年度は20名以下、H22年から20名以上に増加。今年度は4月から今日で既に20名弱。

看護師さんからは、
「入所時に死ぬことを話題にできていない」
「最近平均して2~4名が急性期や終末期のケアでスタッフ(特に夜間)の負担増」
「食事できないと、どうしてもルーチンで点滴になってしまう傾向」
「『なんとか食べてもらいたい』と希望があって、無理な食事介助でご本人が苦しそうなのを見て、スタッフが心を痛めている」
「食事しない、介助でも難しいと説明しても、電話だと家族は元気な時のままの印象で対応されてしまう」
「食事をとめたり、点滴を止めるとすごく楽そうなのを見るとそうしてあげたい」
「終末期~死亡後はケアのみならず次の入所者の調査で業務多忙でデスカンファしたいのに落ち着いて振り返りができない」
などの語りがありました。

いくつか感想・質疑でやり取りしつつ、いろいろ感じることが気づくことがありました。

今後施設での看取りが増加する中、
・入所時の事前指示は可能か?
・そもそも週一回の回診で施設ケアしきれるのか(実際、電話やFax対応、往診も多い)
・treatableなものの除外と老衰という診断の見極め 
・疎遠な家族との(電話や面会での)情報共有と決断の共有は? 
・急性期から終末期へのギアチェンジはどうあるか?どうするか?
・スタッフとのケアの振り返り、デスカンファの開催は?
等を宿題に感じました。

非がんの終末期ケアは北海道では地域の19床の有床診療所(時々施設)で経験していたことですが、あざいでは老人ホームとして経験していて、また違った難しさとやりがいを感じています。