2009年3月16日月曜日

働くのが楽しいクリニックの原型

明後日に指導医の訪問指導が待っています

病棟研修中は特に大切な年4回の貴重な機会で準備にも気合が入ります
特に思うところがあってFeedbackを受けたいSEAやテーマなどには時間がかかります

各地で盛んなポートフォリオも発表用にひとつ仕上げなければ…
濃厚な小児科研修でテーマも多彩で悩むところです


今夜は、外来Reflectionや入院サマリーをみて振り返りの一時を過ごしています


振り返る中でふと、
今のこども診療所がとても働きやすい職場であることに気がつきました


なんでしょうか?
この働きやすいクリニックの構成要素は??


一人ブレストしてみました

・医師、看護師、事務で柱となるリーダーの安定感に支えられていること
 *特に小児科の医師は父性的で面白いです
・受付のスタッフ皆さんが子供目線で、声かけが多くて、笑顔
 *受付の前を通るときの一声や表情で嬉しくなります
・看護師さんが屋根瓦式の教育をしていて学びの移転が医師にも好影響
 *積極的な勉強会、経験の積ませ方、医師との積極的なコミュニケーション↑↑
・研修医慣れしている
 *外来の割り振りが研修医患者双方に安全、見学⇒指導⇒カルテレビューと段階的に導入される
・地域に根付いて50年弱のクリニックなので地域・患者さんからの信頼がある
 *研修医でも診療所への信頼感で診療がスムーズになる有難さ
・人の異動が少なく機能集団(ゲゼルシャフト)というよりは家族集団(ゲマインシャフト)に近い
 *以前緩和ケア病棟で経験した、組織の“お父さん”と“お母さん”とその兄弟姉妹たちのイメージ

・・・
などでしょうか??まだまだ有ると思いますが、このあたりで

道内各地の診療所で働いていて、こんな視点も出来つつあることが確認できました

自分が診療所での教育に興味があるためかもしれませんが、
医学でも看護でも教育が当たり前のようにある診療所って素敵だと感じました

2009年3月10日火曜日

京都で家庭医療のポートフォリオの学び

先週末に8名の後期研修医のポートフォリオの発表が京都でありました。
どれも家庭医療らしく、涙を誘われたものもありました。

印象に残ったことは3点です。
1.ポートフォリオが家庭医のモチベーションを維持する
2.ポートフォリオのフォーマット整備が家庭医療の学びを深める
3.レジデントで集まる場が大切


1.ポートフォリオが学びを促進する

 とある循環器科研修中の研修医の発表で、disease中心のプレゼンが進み、『医学的なもので終わりかな~』と思ってみていたところ、

「そういえば、家庭医療後期研修医だった」

 という一枚のスライドがあり、その後illnessのプレゼン、BioPsycoSocialアプローチがとられたポートフォリオ発表になりました。
会場が笑いに包まれ、そしてその先生の奮闘振りに敬意を持って質疑が進みました。

 質疑で「院内での家庭医療レジデントでの定期の集まりと、この発表の機会があることがモチベーションになった」という発言がありました。
普段は専門研修で忘れがちなモチベーションを保つためのポートフォリオになっていたんだな~と気づきました。


2.ポートフォリオのフォーマットの整備が家庭医療の学びを深める

 在宅ターミナル、家族会議、患者中心の医療の方法、医師患者関係、入院→在宅への取り組み
など、重要なテーマ・ストーリーが目白押しでした。

 それぞれの紹介で、ADLならDEATH、illnessならFIFAなど、PCCMならコンポーネントの何に当たるのか・・・など発表のフォーマットがある程度統一されている、でもまだバラバラな印象を持ちました。

 患者さんの個別性もあり、ポートフォリオのフォーマットが統一されることはないのでしょうが、
・illnessの紹介はFIFAだけでいいのか?
・家族会議なら必ず仮説をプレゼンしたほうがいいだろうか?
・患者医師関係をプレゼンするときに、自己認識や自己変容をどのようにプレゼンすればいいのか?
・・・
などを学び・洗練することが家庭らしい学びを深めるのではないかと思ってみていました。

 患者さんやイベントとの出会いの中で、家庭医的な学びを深め、それを消化し結晶化するポートフォリオを目指したいと思いました。


3.レジデントで集まる場が大切

 こういったレジデントが集合する場の力の大きさを感じました。
日本各地で、そして冬期セミナー誕生した各コミュニティーの場で、モチベーションを維持し、学びを交流し、家庭医としての成長をレジデントが中心となって進める場がたくさんできるといいな~と思いました。

2009年2月24日火曜日

学びのきっかけを探すきっかけの週末

2月の週末はNLPの講義や冬期セミナーの開催などで特別な時間が多かったです

そして先週末は、
親友との教育Reflection + NLPの補講


親友との教育Reflectionはこれで2回目になるのですが、
互いの一年間の教育をまとめてみて、ディスカッションすることの楽しさをまた覚えました

話題になったのは、
「振り返りを促すための、“気づき”そのものをどう生むか」
「与えた課題をfollow upすることの大切さ」
「学習者の“知らない”をどう知るか」
「小グループ学習のファシリテーション」
「内的動機付けのための、取っ掛かりの外的動機付け」

などなど濃厚な二時間でした

その中で、
「学習者を知るときにその人のクラブ活動(部活動)の様子を聞いて、学習スタイルを探る」
*その親友とは学習スタイルも、部活の様子も同じだったので・・・ヒントになるかも!!と盛り上がりました

「手渡しではなく、自分の机に課題を置いておいて取りに来てもらう」
*自分の机を“ショーケース”として、推薦図書や資料のまとめ方の参考になれば・・・という淡い願いをこめる

「“気づき”が少ない人は、自分の言動を覚えていないことが多いので、一緒にいる機会を増やして観察したことを伝える」
*いわゆる”人間ビデオカメラ”作戦

「学習課題に個別性を出しすぎると、意図的過ぎて逆にうまくいかないので、ある程度どの学習スタイルでも学べるような複数の学習課題をパッケージとして提供する」
*本輪西を思い出すとそうだった!!との結論になりました。しかもパッケージとして提供されていることで、『こういうものなんだ』と受け止めて乗り越えやすいかも・・・

などなどのアイディアが出てきました


S君という初期研修時代からの親友なのですが、
話題への応答や教育ポートフォリオを見て、彼と出会った頃と同じような尊敬の念を覚えました

3月にもう一度開催するので楽しみです


その後のNLPの補講でも感じたのですが、

やったことをもう一度Reviewする大切さを感じた週末でした

2009年2月19日木曜日

一度の生の体験が、ずっとの生きた想像力を生む

最近はプロフェッショナル+当直の組み合わせが多いです・・・


前半がcallで見られなかったのですが、
後半は見ることができました

堀井不二夫さんというべテラン航空管制官のお話でした


印象的だったのは、管制官として自信をつけていた頃、
若手パイロットとの同乗体験を契機に「飛行機を捌くという管制」から、
「共に空を飛ぶ管制」に変容されたシーンでした


着陸前の緊張状態、操縦手技の多さ、それらを目の当たりにして考えが変わったそうです

それらを想像し、思い描くことで、タイミングよくパイロットに役立つ指示が出るそうです
堀井さんが管制すると、パイロットから「丁寧な指示をありがとう」と声が返ってくることが、
安心と信頼のある管制の何よりの証拠でした


『今、どういう気持ちでパイロットは飛んでいるのだろうか?』
管制技術に、その思いやりが溶けた瞬間、
それは最高の技術と態度となってパイロットを支えるものになるんだと感じました

声だけのやり取りだから、
声だからこその思いやりを強さを持っていないといけないのかもしれません



生の想像力を身につける

・・・患者さんがどういう気持ちで今入院しているのか?
・・・どんな気持ちで今日ここに受診してきたのか?

医療の知識や技術を提供するときにも、より伝えるために必要な想像力だと思いました

きっとこれって共感レベル3です

2009年2月3日火曜日

出会っていた人と新たに出会う喜び

今日は借りていた本を返しに、院長室に行きました
その時に、院長先生の今までの歴史や趣味や熱い思いを聞いて嬉しくなりました

院長先生とはかれこれ3ヶ月前から時々お話しさせて頂き、
初対面ではないのですが、嬉しさからか初対面のような新鮮な出会いを経験しました

すでに知っている人の新たな面を発見する“出会い”っていいですね!!


隣の外来の様子を聞いたことがあり、お人柄や尊敬されている方とは存じ上げてはいたのですが、
その背景や信念を聞くと、新しい出会いという感覚が生まれます


その人の背景や、人生を支えている信念と出会うことは外来でも喜びになったり、
診療の大切なモチベーションになったりすることをよく感じます


『出合った人との“新たな出会い”を大切にし続ける』
家庭医として大切な心構えなのかもしれないなと感じた出来事でした

2009年1月29日木曜日

組織としての振り返りって良いもんだと思った夜

今夜は当直+小児二次救急当番です
指導医と虫垂炎の話題からとある医局の話題になりました

その医局では、毎年年報を出版して、
関連病院はもちろん紹介元の病院(診療所)に送ってくるそうです

指導医からその年報を見せてもらいました
堅い表紙ですが、開くと素敵な年報でした



何より凄いのは、その年報と共に、

「われわれの活動の一端を知って頂ければ幸いです」
というPRから始まり、
「日ごろはいろいろとお世話になっております」
というお礼や、
「目標としていた○○を達成できたのも紹介いただきました諸先生方のお陰」
という感謝、そして
「患者さんのQOLを高め、研修医の教育に力をいれます!」
「これまでと変わらぬ支援を」
というメッセージが教授から述べられたレターが同封されていたことです


年報も、
・教授からのメッセージ
・外部からのメッセージ
・スタッフのエッセイ
・研修修了した研修医からのメッセージ
・診療統計(症例数など)
・関連病院便り
・名簿
・学術活動の記録(論文、学会発表、受賞、講演)
・スポンサーCM
と盛りだくさんで、測ってみたら2mmくらいの薄いB5の冊子なのですが、内容は濃厚でした



これは凄い!!


年間の活動を振り返り、記録を残し、それぞれの立場から組織について思いや目標を書き…

これは組織としての振り返りだ!と感じました



そして、年報そのものが持つ機能
・記録として
・広告として
・メッセージとして
・礼状として
・・・
を感じ、その人間味とぬくもりを感じました


これを貰ったら、
この組織への印象が良くなり、関係が深まり、親近感が沸く…
そんな、印象的な冊子でした


教授のお人柄なのでしょうか…


関連病院便りでは、
かつてお世話になったN病院の指導医のH先生の記事があり、
病院とは違った側面を感じました 
愛に満ちた指導医だったんだな~と感じる文章でした


こんな素敵な年報、是非北海道家庭医療学センターでも出して欲しいです
するなら是非お手伝いしたいです
4月からチーフだし提案してみようかな…

“教えることは学ぶこと”を共有したひと時

週末に精神科の後期研修をしている友人と
「2008年度の教育歴振り返り」と称して一年(弱)を「教育」を中心に振り返ってみました

互いに初期研修医の教育に関わることが多かった一年だったので、
たまたま年始に電話したときに企画を思いつきました



やはり「評価」って難しいねという話になりました
特に彼の場合は事前の目標設定がない困難さを痛感しているようでした



そんな中でも現場やシステムの限界まで彼が奮闘してよりよい研修医教育をしようとしている様子が知れました
ただ、システムや現場の限界を改善することは後期研修医の身分を超えることもあり…
裁量を持っている中で、どんな教育のリソースがあるのかについて話題が進みました

そして、後期研修医とコメディカルとの情報交換や協働を、
初期研修レベルでも体験してもらうことは、僕らの裁量の中でできるよね~という発見ができました



僕自身は怒涛のレクチャーをした一年でしたが、
『参加者の背景やニーズを知ることが、モチベーションになって、これだけできた』
という事に気づかされました

彼は「オートクライン(=自分で話したことを聞いて気づく行為)」だねと言っていました
今後、困難なレクチャーがあっても背景やニーズを知る作業をまず大切にしたいと思います


個人的に気づいた弱点は、
レクチャーするときに『抽象的な話をするときに具体的な物語を挟むこと』
が足りないことです

よくよく思い出せば、作成中のレクチャーを人に見せたときによく指摘されたことでした


この「大局的な構図」+「象徴的な物語」の組みあわせも忘れないようにしたいです
聞いている人にとっては聞きやすいバランスを提供できそうです



初期研修中によく相談してもらっていた友人だったので、
いろいろ気兼ねなく話せて楽しくも学びに満ちたひと時でした

ピアメンターというべきかもしれません


2月はトピックについてSEAをして、3月は2009年度の教育目標を立てようということになりました
久々のコラボでしたが楽しい二時間でした