2012年6月20日水曜日

与えられた資源を、つないで、紡いで、結ぶ

午前と午後の診療の前後は、だいたい診療所経営や医学教育の時間になります(そういえばちゃんと研究も進めないと・・)

今日は、来週からの医学生実習の準備と、外部組織との連携のための面談と、院内各部門が集まった会議の時間でした

医学生実習の準備では、同僚のサポートと雑談から一気に新しいアイディアが生まれて、一つ成果物が誕生しました

面談では、いい連携が生まれますように・・という願いを握りながら、相手の話を十分に聞ききながらの丁寧に話し合をする時間になりました(そしていい宿題ができました)

各部門集まっての会議は、(我慢できず)司会をさせてもらい、買ったばっかりのホワイトボードに論点や手順のフローをイラスト化して、議論をまとめていきました
 やっぱりここの組織は、個々の力が高いので、一つ一つ大切なことを確認しつつ、議論を進めるとものすごいエネルギーが集約しながら進められます
確認が無いと拡散してしまうのですが・・・今日はホワイトボード君の助けもあって、3回くらいアンカーを打つことで集約できました

診療所での医学教育も、
外部組織との新しい連携も、
院内のチームが集まった会議も、
『与えられた資源』に触れている気持ちになります

こういった話題だからこそ、話している途中で『ああ、良い資源を与えられているんだ』という気持ちが出てきます

同僚がいるから、学習者にもう一つの視点が加わり、
新しい連携先があるから、この地域の在宅医療の可能性が広がり、
院内のチームの存在が、この診療所のシステムの改善の力として捉えられる
どれも大切に握っておきたい感覚達です

教育の力を紡いで、協調性をつないで、診療所スタッフの力を結んで・・
そんなことを感じながら、目の前にアクセクすることが大切なのかもしません


 そして、そのアクセクの中(まだまだ修行不足ですが)、
『与えられた資源』を”握り”ながら、
自分のこだわりを持ちながら”手放す”ことが丁寧な歩みを生んでいます

 ”握る”と”手放す”って、
つないだり、紡いだり、結ぶときの手の動きそのものに似てますね

2012年6月18日月曜日

パートナーシップの振り返りは、それを強くしてくれる

金曜日に一緒に働いている同僚との雑談が盛り上がり、
次第に新しい環境、組織、挑戦の3ヶ月のパートナーシップの振り返りになりました

フェローの時は家庭医療の診療・教育・研究・経営それぞれが、それはそれで結構大変でしたが、置かれている立場や与えられている責任という視点からは、バランスよくしかも安全に指導医やBossから管理されていた気がします

今は診療も、教育も、研究も、経営も全部リアルワールドの真剣勝負で、特に診療と経営面で立場がぐっと上がり、責任も重くなりました

その中を自分と同僚でバランスを取りつつ、互いの力が発揮されるように互いにリード、メンテナンスしながらの日々を過ごしてきました


面白いのは、それぞれ気になる気づきや疑問が同時に湧いたり、一人で決めた仮決定が2人で相談してもそうズレなかったり、敢えて控えたFeedbackを片方が伝えてくれたり・・・という同時性を発揮する一方で、互いの違い・持ち味が出た時に上手く混ざり合って(二つの川が合流して流れるように)進む感覚があることです


互いの良さと弱さを生かしながら、しなやかで楽しくて深い相互作用を生みながら、
この診療所での家庭医療の実践と教育、そして診療所経営のためのアイディアやモチベーションが湧いていることを感じます

日々相手に対して「自分にない、大切なものを持っている」感って本当に大切ですね

週末にふと思い出して、2年前に買った「Power of 2」という本を読み返してみました
ギャラップ社による5年間での4つの研究から、よいパートナーシップの8つの構成要素が書かれた本です

1相補的な複数の強み(complementary strengths)
2共通のミッション (a common mission)
3公平性(fairness
4信頼感(trust
5受け入れ(acceptance
6許し(forgiveness
7伝え合い(communicating
8滅私(unselfishness

どれも納得です
いっぱい線が引いてあってびっくりした・・

今回は1,4について一緒に振り返った(=7)ことで、8つ全部が確認できた感覚になっていました

Power of 2・・
仕事だけでなく、家庭でもですし、医師患者関係や教育者学習者関係にも必要な要素ですね・・


2012年6月13日水曜日

故郷での乳幼児健診デビューで感じた資源

今日は長浜に帰って来て初めての乳幼児健診でした~。


 乳幼児健診は家庭医として、地域の子供たちと子育て中のお母さんたちに関わる大切な機会なので、赴任早々からこの機会を頂けたH先生やスタッフの皆さんの準備に感謝の気持ちでいっぱいです。

指さしするのも大切な評価項目です
 (娘、当時1歳)
初期研修と後期研修での小児科研修で得た学び、そしてその後の2年半更別村診療所で近隣のT町・N村の健診で得た学びや経験をフル活用できました。

 思いだすと、
T町は椅子と机で沢山来ててきぱき・・
N村は和室と座布団でまばらに来てのんびり・・
とそれぞれ味わいのある健診でした。

 そんな味わいのある2年半、お母さん方から頂いた色んな相談や、経験したフォローや紹介、そして何よりその後の保健師さんや発達の先生との情報交換会の内容が大切な資源になっていることを今日改めて確認できました。


 そして当時のBoss&指導医の「子供は社会の宝」という言葉も健診の心構えの資源として沁みついていますね。


 あと毎度ですが、親(4歳と10カ月の2人)としての経験も生きました。
特に「それは大変ですね~(>_<)」という熱のこもる(こもってしまう)共感や、
「今こんな時期じゃないですか?」という予想、「こうやってしてますよ」という助言、
そして「うちもそうでしたよ」「この時期はこんなもんですよ」という保障の資源にもなります。
*といっても、かつて「子育て自己評価を3/5点」と言ったら、「高めやね」と妻ツッコミ受けた身なので、わずかな経験ですが・・・

 今回健診について下さった保健師さんから、
「診察・問診がとっても丁寧」、「安心しているお母さんが多かった」、おまけに「先生につけて良かった」等と有り難い言葉を頂くことが出来ました。

 今日みたいな丁寧な診察、そしてその日一番のMother's Questionを聞いて、それに応えることをこれからも続けていきたいと思いました。

 今後、研修医の先生や学生さんを連れていく学びの機会としても大切にしたい場なので、いいデビューになったのであれば良いな~。あと来年は機会がもっと増えるといいな~。

2012年6月8日金曜日

病状説明のコツを振り返ってみました


 今日の午前中は施設の回診(臨時対応が沢山あって3時間越え(T_T)
更に御家族への病状説明x3でした

 色々シビアな説明、情報共有、現状の認識の調整のための大切な時間です


 以前にも言われた(その時はオセイジと思ってしまっていた)のですが、
隣でメモをしていた施設の看護師さんに「先生の病状説明はすごい」と再度言われました

「分かりやすく、的確で、聴いていて不安が無い」そうで・・・
こちらとしては結構苦労しながらやっているので意外だったので、これは振り返るきっかけだな…と思って振り返り…

 やはり基礎体力としては、初期から意識して実践しようとしてているPCCM(患者中心の医療の方法)や、何度か意識して実践した[悪い知らせを伝えるためのSPIKES]、時に力を発揮する[信頼関係を構築し、心理的なサポートをするためのBATHE法]があるな~と思います

またこれまでの病状説明の経験や頂いた指導の中で増えてきた持論として、
・『聞き手の立場になりながら話す』
・『全部言わない』
・『医師としてしか話せない部分を話す』等…
いろいろ気をつけていましたね…無意識になっていたかも

あとは柔軟性と集中力でしょうか
思わぬ方向になった時に無理しないのも大切ですよね…

今まで経験、特に失敗や反省も糧になっており、特に更別時代の後味のイマイチな病状説明後にベテラン看護師さん達から貰ったFeedbackも大切にしています


ちなみに『全部言わない』は後期研修医2年目の時に、
勤医協札幌病院の指導医の病状説明から学んだことです

『全部話せば理解できるわけじゃない、理解するように部分的に話す事も大切
血液内科って長い付き合いで、その中で徐々に全部話せるし、病状理解が難しい疾患が多いからね』という台詞は今でも残っています。

 いつも高いパフォーマンスができるわけではありませんが、
それに近づけるような振り返りは大切かも…そのヒントを下さった看護師さんに感謝です!

2011年7月16日土曜日

家庭医は日本独自の言葉かも!?

やはり家庭医は日本独自の言葉かもしれません
ずっと訳語だと思っていましたが、ちょっと日本独自に傾きました


7月2日の札幌での日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で、永井先生から直接お聞きした内容からです

永井先生は昭和35年の医事新報に「家庭医」という言葉を使用して投稿されていました
その一年前の昭和34年に米国でFamily Practiceという言葉が誕生した一年後なので訳語なのかどうかを今回インタビューできました
(たまたま受付されているところでお会いして、メイン会場まで御案内できたこともよかったです)


『その頃は、我々の事を“家庭医・一般医”と当たり前のように表現していた』とのことでした


確かに、昭和34年3月の旧厚労省の答申書に「家庭医」は登場しています
インタビューからも、資料からもアメリカでFamily Practiceが誕生する前に「家庭医」という言葉は存在していた可能性が高くなりました…

でも元々の「家庭医」の語源ってどこから何だろう?
言葉の源を捜す研究者とお会いしたいものです…


ちょっと調べてみると、昭和3年に「臨床家庭医典」という本が出ていますが、
これは「家庭の医学」的な本なのかな??どうなんだろうか??

疑問を解決したら、次の疑問が…

2011年7月1日金曜日

いよいよ学会

明日から学会@札幌です。
http://www.ibmd.jp/jpca2011/

個人的には研究の発表をしたかったのですが、間に合わず。来年に持ち越しです。
より良い形で発表して、その後の共同研究に持っていけたらと思っています。


HCFMの上司が大会長&実行委員長で、今日までお忙しそうでした。

「時と人をつなぎ 今飛躍の時へ」というテーマを聞いたときに興奮したのを覚えています。

3つの学会が一緒になるという画期的な出来事を、より実りあるものにするため、
沢山のつなぐ作業やつながりが必要だとずっと思っていました。
冬期セミナーでも実験的に取り入れ、最近では秋季セミナーでも1企画頂いています。

学問に必要なのは温故知新&学際的な発展ですよ


新しい出会い・古い出会をつなぎながら、それぞれのつながりを楽しみたいと思っています。

秋に抱えている企画や、来年の予定なども含めて種が蒔けるといいな~

2011年5月21日土曜日

自分が死んでも未来に残るものは?を考えてしまったTEDxTokyo2011

昨日は、当直で断続的でしたがTEDxTokyo2011を見ることができて良かったです!
http://www.tedxtokyo.com/

英語の勉強&知的な刺激を受けるので、ネットでTEDは時々見ていたのですが、
昨日は午前中から東京開催の様子をUstream中継を見ることが出来ました


震災の影響を色濃く受けたプレゼンもありつつ、
随所に感じたり日本らしさ、新たしい技術の可能性、社会問題を別角度からの分析、
そして素晴らしい芸術などなど、非常に楽しい時間でした


スピーカーの皆さんを見て強く思ったことは、
・英語で生き生きと熱を込めて新しい家庭医療学を語りたい!!
・自分が死んでも未来に残る何かを創りたい!!
です


家庭医として長く働いてその地域の患者さんや家族のために家庭医療を提供するだけではなく、
日本中の家庭医療の後期研修プログラムに活かされる何か、新しい家庭医療学の教科書に残るような役に立つ何かを(臨床研究や医学教育研究で)残したい!!と考えてしまいました


日本らしい東洋的学際的な家庭医療学、そしてpost311の家庭医療学を深めていきたいです・・・
日々の臨床と教育こそ、その鍛錬の場ですね・・・